主体性を育む

オンライン診療




“医療のことは素人には
わからない”


“だから先生(医師)に
お任せするしかない”


長年の医師という仕事の中で、患者さんが持つこの価値観に
触れる機会が非常によくあります。

確かに医学は確実に進歩し、以前は治せなかった病気も
治せるようになりました。
その恩恵に預かるのに、高度な医療知識を持った医師達に任せるしかない側面があるのは事実です。

しかしながら、その結果おきざりにされるのは
「自分の力で何とかしよう」という気持ちです。
またほとんどの病気は自分で行動を起こさない限り、
いっときのその場しのぎはできても他人には治せないものばかりです。
そして医療の場合、任せた結果を引き受けるのは自分の身体です。

どれだけ高度な医学知識を持った医師達でも、他人の性格や価値観、心の在り方まで、すべてを把握できる人間はいません。

医師であろうと所詮は他人。
他人に任せることで生まれる見えないストレス。
そして完全に信頼しきった医師達に対して、思うような状態でなかったとしてもそれでも信じるしかないとさらに任せてしまう悪循環。

その任せるという態度は、小さなストレスを蓄積し、知らないうちにストレスが大きくなり、やがて病気をこじらせてしまうという構造があります。

医師に任せるのではなく、自分の進みたい道を進む。
その上で進み方について医師からアドバイスを受けながら、さらに自分の進むべき道を模索していく。

そのためには自分のことを理解してくれる医師との出会いが不可欠です。
しかしどんな医師がどこにいるのか知るのは容易ではありません。

オンライン診療医は、自分の医療に対する考えを様々な形で情報発信します。そのため患者はその理念に事前に触れることができます。

患者はオンラインの広大な空間の中から、自分の価値観と合致する医師を選ぶことができます。

そしてもう一つは、つかずはなれずの適度な距離感。
医師が近くにいすぎることは、医師への依存心を高めます。
一方でいつでも相談できる安心感は、自分の求める治療を求めて荒野をさまよう患者の不安を確実に和らげることができます。

オンライン診療はその両方のニーズを満たすことができる新しい診療スタイルなのです。

そのことは患者が自分の力で
病気を何とかしようとする主体性を育みます。

そして最終的には一人で病気を卒業し、病気を意識しない世界で生きていけるように、オンライン診療という場で医師の助けを借りながら、患者自身の主体性を高めることが、長い人生の中で患者のストレスを最小化できる「自己治癒力」を最大限に引き出す生き方へとつながっていくのです。